各産地茶の特長

産地茶には2種類の分け方があります。

ひとつめは、JAS法という法律を遵守した純粋に採れた産地での分け方です。
もうひとつは、「地域団体商標」という制度で決められた商標としての産地茶です。

歴史的にお茶葉は、農産物として取れた原料茶は、全国の産地問屋へ流通し、茶問屋が取引をしている茶専門店の好みにあわせて仕上加工して消費者に届く流れの中で、茶専門店は産地問屋の産地名で販売することがほとんどでした。

ですから、磯田園のある愛知県渥美半島の原料茶が京都山城の茶問屋さんで加工され販売されれば「宇治茶」に、静岡の茶問屋さんで加工されて販売されれば「静岡茶」として消費者に届いていました。

しかし、平成11年に熊本茶を八女茶として販売していたJAがJAS法違反と判断されたことから、「産地茶=栽培された地名のお茶」というJAS法を遵守する流れの中、歴史的な経緯から「地域団体商標」という法律が作られ現在に至っています。参照:特許庁 地域団体商標制度とは

例えば、
「宇治茶」は、地域団体商標として「京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を、京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工緑茶」と定義されています。

「八女茶」は福岡県内の茶生産者が福岡県八女市及びその周辺地域(熊本県及び佐賀県の八女地域に隣接する地域を含む)において生産した荒茶を福岡県内で仕上げ加工した緑茶とされています。

こうした日本茶の産地表記の法律を遵守して、磯田園で取扱う産地茶をご紹介いたします。

宇治茶

現在「宇治茶」とは、地域団体商標として「京都府・奈良県・滋賀県・三重県の4府県産茶を、京都府内において宇治地域に由来する製法により仕上加工緑茶」と定義されていますが、当社では、伝統的に宇治川水系の砂地土壌で育てらることで、アクの少ない被せ香を引き立たせる上品な甘みとコクをもつ玉露や碾茶(抹茶の原料茶)を選んで取り扱いしています。

碾茶・玉露はそれぞれ全国一の生産量と茶全国品評会の上位の座を守り続けており、名実ともに高級茶といえるものをご提供いたします。

八女茶

九州福岡県で、かぶせ茶・玉露の名産地として知られる八女・星野地域が有名です。

近年は煎茶の栽培量も増えていますが、やはり地形的に朝露や川露によって陽射しが適度に遮られることで、旨み成分のアミノ酸類(テアニン、グルタミン酸、アルギニンなど)が増した茶葉は上品な香味が特長です。

磯田園では、永年のお付き合いから信頼できる地元茶師お薦めの厳選した「かぶせ茶」の原料の選別・仕上方法を指示し産地独自の技で仕上加工していただいています。

掛川茶

日本一の茶処静岡のなかでも、深蒸し茶の発祥地として有名な掛川地区ですが、昨今の市町村合併により、掛川茶の産地が拡大されています。この傾向は全国的に言えることです。

そうした中でも、深蒸し茶の先駆者として「みる芽」(若くて柔らかい芽)の茶葉を原料茶として厳選し、蒸し上げ、じっくり揉むことででる力強い味と関東向けに仕上げた強い火香(香ばしさ)のある掛川茶らしさが残る、まるで茶葉を丸ごと呑んでいるような贅沢な味わいのお茶をお届けします。

知覧茶

近年、静岡を超え、茶生産量日本一を誇る鹿児島県における茶の中心生産地です。

火山灰土壌と温暖な気候、機械化により整備された大規模茶園において、3~5日くらい南国の強い陽射しを被覆ネットで遮り、茶葉の甘み成分の増した色鮮やかな茶葉の旨みを、余すことなく抽出できる深蒸し製法による旨味と香ばしさが特長です。

全国の茶栽培品種の主流である「やぶきた品種茶」以外の「ゆたかみどり」「さえみどり」など、短期間の被覆栽培をすることで色鮮やかで、香ばしい焙煎香がでて、濃厚な味わいのある「深蒸し茶」を厳選しています。

狭山茶

関東の随一の茶の名産地です。

やや北に位置する産地のため「伝統狭山火入れ」といわれる独特の火入加工によって生み出されるあっさりした香ばしさが特長でしたが、近年では、茶葉を深く蒸す、深蒸し茶も増えて、濃厚な香味のお茶が増えているのが特長です。

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